medicina19巻12号

1982年12月発行

臨時増刊特集 目でみるトレーニング―新作問題248題とその解説 問題

胸部X線（87〜123）

著者： 前田如矢¹ 村松準² 金沢知博³ 高橋寛³ 池田成昭³ 吉良枝郎⁴ 岡安大仁⁵ 高津忠夫⁶ 金上晴夫⁷ 水谷雅子⁸ 河野通雄⁸ 芳賀敏彦⁹ 矢野仁雄⁹ 相馬信行¹⁰ 大塚義郎⁹ 佐藤紘二¹¹ 片山勲¹²

所属機関： ¹東邦大学医学部・第2内科 ²北里大学医学部・内科 ³秋田大学医学部・第2内科 ⁴自治医科大学・呼吸器内科 ⁵日本大学医学部・第1内科 ⁶獨協医科大学・気管食道科 ⁷青山学院大学・理工学部 ⁸名古屋市立大学医学部・放射線科 ⁹国立療養所東京病院・呼吸器科 ¹⁰国立療養所東京病院・外科 ¹¹国立療養所東京病院・内科 ¹²埼玉医科大学・第1病理学

ページ範囲：P.2214 - P.2250

　43歳，女性．主訴は呼吸困難，動悸，顔面および下肢のむくみ．リウマチ熱の既往は明らかでないが，中学生の頃に感冒に罹患した際心雑音を指摘された．自覚症状もなく，体育なども制限をうけずに，普通の日常生活を送ってきた．高校卒業後3年間百貨店に勤務し，21歳で結婚し2児をもうけた．
　約3年前，主人の転勤で心労がつづき，激しい労作で動悸と軽い息切れを自覚するようになり某病院を受診し，はじめて心弁膜症と診断された；しばらくの間通院治療をうけて軽快したので，そのまま放置していた．