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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻2号

1982年02月発行

文献概要

今月の主題 感染症と免疫 特殊な感染症

Opportunistic Infection

著者: 小酒井望1

所属機関: 1順天堂大学医学部・臨床病理学

ページ範囲:P.244 - P.245

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 opportunistic infectionは日和見感染と訳されている.感染の成立は微生物と生体(宿主)との相互関係で決まる.生体側の感染防御能が低下すれば,病原性が乏しい,健康人にはほとんど無害な微生物でも感染することになる.かかる平素は無害な微生物(opportunistic pathogen)による感染が日和見感染といわれる.かつて弱毒菌感染という言葉が用いられたが,opportunistic infectionという英語がわが国に紹介されてからは,この英語または日和見感染という訳語が,わが国で広く使用されるようになった.
 opportunistic infectionは感染防御能の低下した生体に見られる感染であるから,かかる生体(compromised host,誘感宿主という訳語もある)は病院に多いので,病院感染として見られる場合が多い.また悪性腫瘍,白血病,膠原病などの重篤な基礎疾患を持つ患者の末期に,いわゆる終末感染として起こることも多い.あるいはまた,慢性感染症の化学療法中に菌交代症として見られることも少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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