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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻3号

1982年03月発行

文献概要

講座 異常値の出るメカニズム・47 酵素検査(7)

血清コリンエステラーゼ

著者: 玄番昭夫1

所属機関: 1中央鉄道病院・中央臨床検査室

ページ範囲:P.543 - P.549

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コリンエステラーゼの種類と分布
コリンエステラーゼの種類
 一般にコリンエステラーゼ(Cholinesterase ChE,EC 3.1.1.8)と呼んでいるものは,次のようにアセチルコリンのみならず,その他のアシルコリン(ベンゾイルコリン,ブチリルコリンなど)の加水分解を触媒する酵素である.
 これに対して,アセチルコリンエステラーゼ(Acetylcholinesterase,AChE,EC 3.1.1.7)とは,という反応を触媒する酵素に対して名付けられたものである.前者のChEを別名偽のコリンエステラーゼ(Pseudocholinesterase)と呼び,そして後者のAChEを真のコリンエステーゼ(Truecholinesterase)と呼ぶのは,ChEがアセチルコリンも分解するので,おそらくAChEの偽ものといった意味からであろうと思われる.そしてこの両者を区別して測定したいときには,ChEの場合はベンゾイルまたはブチリルコリンを,AChEの場合はアセチル-β-メチルコリンをそれぞれ基質として使用する.すなわち,アセチル-β-メチルコリンはChEによって分解せず,AChEによってのみ分解(ただしアセチルコリンのときよりもその分解速度は遅い)されるのに対し,AChEはベンゾイルやブチリルコリンを分解しないからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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