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文献概要
今月の主題 血清リポ蛋白の異常 血清リポ蛋白異常症
LCAT欠損症
著者: 加藤泰一1
所属機関: 1東京大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.814 - P.815
文献購入ページに移動 血中にコレステロールをエステル化する酵素の存在することは,1935年Sperry1)によって報告されているが,長い間この酵素はesteraseと考えられていた.最近の知見では,この酵素は肝臓で合成された後,血中に放出され,血中の高比重リポ蛋白(HDL)上で作用し,apo A-Iの存在下で遊離のコレステロールをエステル化することが知られている.その際acyl基をレシチンより転移させることから,現在ではこの酵素はtransferaseと考えられている(図1).
本酵素の欠損症であるLCAT(lecithin:cholesterol acyltransferase)欠損症の存在することが,1967年Gjoneらの報告によって明らかにされた2),わが国でも1976年筆者らが最初の症例を報告したが3),その後,新たな症例も報告されている.LCAT欠損症は,臨床的には角膜混濁・貧血・蛋白尿を主徴とし,特異的な脂質.リポ蛋白像を呈する疾患として知られている.
本酵素の欠損症であるLCAT(lecithin:cholesterol acyltransferase)欠損症の存在することが,1967年Gjoneらの報告によって明らかにされた2),わが国でも1976年筆者らが最初の症例を報告したが3),その後,新たな症例も報告されている.LCAT欠損症は,臨床的には角膜混濁・貧血・蛋白尿を主徴とし,特異的な脂質.リポ蛋白像を呈する疾患として知られている.
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