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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻5号

1982年05月発行

文献概要

今月の主題 血清リポ蛋白の異常 リポ蛋白異常と各種疾患

胆石症

著者: 梶山梧朗1

所属機関: 1広島大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.816 - P.817

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 体内におけるコレステロールは,最初に胆石から発見されたものであり,胆石症患者の血清脂質に対しては古くから関心がもたれてきた.とくに1920〜30年代において,本症の血清コレステロールが多数の研究者によって測定され,報告されたが,その成績は一定しておらず,高値を示すというものや,正常であるという報告,さらには異常低値を示すという報告までみられる.
 しかし,西欧においても,また本邦における疫学調査でも,胆石の発生は栄養学的な因子と強い相関がみられており,とくに動物性脂肪,蛋白,総カロリーなどとの結びつきが大といわれている(図1).とくに本邦における胆石患者の増加は著しく,1913年における胆石保有率は1.7%に過ぎなかったのに対し,1966〜67年では6.7%となり,1974〜77年では実に14.4%となっているが,その原因は食生活との結びつきが大きいと考えられている.胆石の組成は,コレステロール以外に色素カルシウムや希少石などがあるが,上に述べたような胆石の増加は,そのほとんどがコレステロール系石の増加によると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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