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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻5号

1982年05月発行

文献概要

今月の主題 血清リポ蛋白の異常 リポ蛋白異常と各種疾患

心筋梗塞

著者: 上田正人1

所属機関: 1久留米大学医学部・病態検査科

ページ範囲:P.828 - P.829

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冠動脈のアテローム硬化発現
 冠動脈のアテローム硬化発現は,血清コレステロール値の上昇と比例することが知られており1),血清コレステロールの大部分はlow density lipoprotein(LDL)およびhigh density lipoprotein(HDL)の両リポ蛋白分画に含まれている.
 動脈硬化の初期段階では内膜の平滑筋細胞に増殖がみられ,この細胞増殖はLDLによって促進され,HDLによって抑制されるといわれている2).過剰な遊離コレステロールにさらされた平滑筋細胞は,細胞膜の液体結晶構造が保持できなくなり,膜一遊離コレステロール間のinteractionを減らそうとしてコレステロールのエステル化が促進され,結果的には細胞膜の合成が促進されて細胞増殖を導くことになる3).したがって高脂血症患者のLDLは,正常脂血症者のLDLにくらべて,細胞増殖をより強く促進させるといわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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