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文献概要
今月の主題 血清リポ蛋白の異常 リポ蛋白をめぐるトピックス
動脈硬化とプロスタグランディン
著者: 矢島途好1 沼野藤夫1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.850 - P.853
文献購入ページに移動 1969年PiperとVaneは,アナフィラクトイドショックに陥ったマウスの肺灌流液中に兎の大動脈を収縮せしめる物質が遊出してくる事実を観察し,これにrabbit aorta contracting substance(RCS)と命名した.この物質が何であるかの追求がその後ひき続き行われ,Samuelssonらカロリンスカ大学グループは,1975年遂に本物質の正体をつきとめた.これが今日大きな話題となっているthromboxane A2(TXA2)の発見であり,最近循環器疾患におけるprostaglandin(PG)の役割に大きな関心が向けられるようになったきっかけとなっている.本稿では,循環器疾患の中でもとくに重要な動脈硬化とPGの関係について,TXA2,さらに後述するprostaglandin I2(PGI2)を中心に最近の知見を紹介する.
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