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今月の主題 血清リポ蛋白の異常 血清リポ蛋白代謝異常の治療
高LDL血症の治療法
著者: 葛谷文男1
所属機関: 1名古屋大学医学部・老年科
ページ範囲:P.868 - P.870
文献購入ページに移動 高LDL血症という言葉は通常あまり用いられていなかったが,血漿中の脂質とくにコレステロールのmain carrierがLDLであること,LDLがatherogenesityと最も関連の強いこと,すなわちLDLが虚血性心疾患のrisk factorとして重要であること,反面HDLがanti-risk factorであることなどの理由により,高コレステロール血症をさらに分類するという意味で,高LDL血症という言葉が用いられるようになったと思われる.したがって,ここでは高LDL血症と高コレステロール血症(atherogenesityをもつコレステロールの高い場合)とを同義語的に考えて話を進めることにする.
血漿中にLDLが増加するメカニズムとしては,血漿中におけるVLDLからLDLへの変換の亢進が考えられる.すなわち,高VLDL血漿に伴って起こる可能性がある。この場合のratelimiting factorとしては,lipoprotein liPaseではないことが想像されている.それはheparinとかheparinoidを投与しても,LDLが血漿中でただちに増加してこないからである(むしろ低下する.この意味でMDSなどが用いられる).現在では,VLDLそのものの血漿中における増減が,LDLの生成に最も深い関係をもつと考えられている.
血漿中にLDLが増加するメカニズムとしては,血漿中におけるVLDLからLDLへの変換の亢進が考えられる.すなわち,高VLDL血漿に伴って起こる可能性がある。この場合のratelimiting factorとしては,lipoprotein liPaseではないことが想像されている.それはheparinとかheparinoidを投与しても,LDLが血漿中でただちに増加してこないからである(むしろ低下する.この意味でMDSなどが用いられる).現在では,VLDLそのものの血漿中における増減が,LDLの生成に最も深い関係をもつと考えられている.
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