icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina19巻6号

1982年06月発行

文献概要

今月の主題 癌治療の最前線 免疫療法

癌免疫研究の現状

著者: 橋本嘉幸1

所属機関: 1東北大学薬学部・衛生化学

ページ範囲:P.1016 - P.1017

文献購入ページに移動
 近代癌免疫の発展は1960年代初期における近交系動物の開発に伴う同系癌,さらには自己癌に対する宿主の移植免疫研究に礎を有するものと思われる.これらの研究により,化学発癌剤誘発癌およびウイルス癌には正常組織細胞には表現されていない癌特異抗原が存在することが明らかにされ,いく多の研究を通して,癌の特異抗原性の概念が確立されてきた.これに平行して,癌に抗原性があれば細菌やウイルスとのアナロジーにより,免疫学的な癌の治療法が可能かもしれないという予測のもとに,種々の形の癌免疫療法が実験的に追求され,やがて臨床の場にも持ち込まれるに至った.
 一方,以上のような癌に対する免疫現象を司る宿主側の因子は何かについての解析も,上の諸研究と並行して行われ,キラーT細胞,マクロファージ,K細胞,NK細胞といった宿主細胞の関与や血清因子の効果,さらには基礎免疫学の知見の拡大による抑制性細胞や因子の発見が行われてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら