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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻6号

1982年06月発行

文献概要

今月の主題 癌治療の最前線 集学的治療

乳癌

著者: 冨永健1

所属機関: 1東京都立駒込病院・外科

ページ範囲:P.1055 - P.1057

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 乳癌は最近わが国においても急増の傾向にあり,婦人悪性腫瘍の中で子宮癌,胃癌についで多くみられる疾患である.年齢分布をみると20歳台から80歳以上に及んでおり,40歳台に最も多い.しかし,近年これが50歳台に近づき始めるとともに,70歳前後の高齢者にもピークが認められはじめ,いわゆる2峯性のパターンを示すようになってきており,欧米での年齢分布に似てきている.
 乳癌が多くの他臓器癌と違う点は,その内分泌依存性にあり,この特性が治療の上で大きな役割を果たしている,すなわち,その増殖は下垂体,副腎,卵巣などの臓器と密接な関係にあり,閉経前後でも癌細胞の内分泌学的性格は異なっている.近年,乳癌細胞中のestrogen receptor(ER),progesterone receptor(PgR),prolactin receptorなどが測定できるようになってから,腫瘍の内分泌依存性を予測することが可能となり,臨床的にも成果をあげている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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