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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻6号

1982年06月発行

文献概要

カラーグラフ 臨床医のための腎生検・6 糸球体病変・6

管内増殖性糸球体腎炎

著者: 坂口弘1

所属機関: 1慶応義熱大学医学部・病理学

ページ範囲:P.1076 - P.1077

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 従来,急性糸球体腎炎といわれてきたものの糸球体病変である,これと同じような症状は以下に述べる管内増殖性糸球体腎炎のほか,半月体性糸球体腎炎(crescentic GN,次回),MPGN type I(4回),dence deposit腎炎(MPGN type II),MPGN type III(5回)その他の型の糸球体腎炎でもみられるので,まとめて急性腎炎症候群(acute nephritic syndrome)と呼ばれ,どの型の糸球体腎炎であるかは腎生検によって確かめる.
 このdiffuse endocapillary GNは溶連菌感染後急性糸球体腎炎に相当するもので,光顕では図1のように糸球体はすべて著しく腫大し,図2のように個々の糸球体はメサンギウム領域も毛細血管腔も腫大増殖した細胞で充満し,糸球体内の赤血球はそのため減少している.筆者らが学生のころには急性腎炎の糸球体の所見はAnschwellung(腫脹),Kernreichtuln(富核),Ischarnie(乏血)とドイツ語で教わったが,まさにその通りである.増殖した細胞は,内皮細胞,メサンギウム細胞,血中からの単球,好中球などであるが,好中球以外は光顕ではどれがどれだか識別ができないので,一括して管内増殖(endocapillary proliferation)と呼んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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