文献詳細
講座 臨床薬理学 薬物療法の考え方・12
文献概要
合理的な薬物療法を行うためには,個々の患者の病態像に合わせて,最適薬物の最適量を,最適投与間隔で,しかも最適投与経路で投与する必要がある.そのためには,鯛々の患者の有する病態像が,投与薬物の生体内における薬物動態と薬物に対する生体の感受性にどのような影響をもたらすか,という点に関して十分な情報が整っていなければならない.さらに,最適薬物を選択するためには,種々の病態像における薬物の有効性と安全性に関する科学酌な情報が得られていなければならない,前者は,薬物の投与量,投与間隔,投与経路の最適なものを選択する際に必要な情報であり,後者は最適薬物を選択する際に欠かすことのできない情報となる.この中で,現在広く行われている「臨床薬効誰価」は,主として後者の薬物の選択(すなわち,ある病態像に対して有効かつ安全な薬物を選択する)に際して必要な情報を得る手段となっている,現行の臨床薬効評価法の根底を流れている基本酌な考え方,その具体的な方法については,前回まで3回にわたってまとめた1〜3).その中でも述べたように,薬効評価なかでもとくに「有効姓の評価法」に関しては,いわば標準化されてしまった感さえある現状といえる.
しかし,いかなる人にも長所と欠点があるように,標準化された感さえあるこの「臨床薬効評価法」にも,種々の問題点が認められる.
しかし,いかなる人にも長所と欠点があるように,標準化された感さえあるこの「臨床薬効評価法」にも,種々の問題点が認められる.
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