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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻8号

1982年08月発行

文献概要

今月の主題 実地医に必要な臨床検査のベース 生理的変動因子

運動

著者: 井川幸雄1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学・臨床検査医学

ページ範囲:P.1430 - P.1431

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 運動の検査値におよぼす影響について述べる場合には,その運動の強度とそれに費やした時間についての情報が必要となる.運動の強度については,その時の酸素消費量が目安になるが,最近,臨床では代謝単位metabolic units(METS)が用いられるようになった.これは坐位での安静時代謝量は酸素消費量として3.5ml/kg・分で,約1kcal/kg・時となるので,これを1METSとし,運動時(労作時)代謝量が,この何倍にあたるかを示すものである.ゆっくりした歩行や家事では4METS,早足,農作業などでは6METS,ジョギングが9METS,ランニングはスピードにより,毎時のkmの数値がほぼMETSにあたる.たとえば毎時20kmで走れば20METSで,一流スポーツマンでのそれになる.ゴルフ,ボーリングなどでは4〜5METS,サッカー,ホッケーなどでは10METS以上になる.
 5〜6METS以上では血液中乳酸の蓄積も起こり,生体負担度は大きいと考えてよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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