icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina19巻9号

1982年09月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患診療のトピックス 薬物療法

免疫抑制剤

著者: 長沢俊彦1 北本清2

所属機関: 1杏林大学医学部・第1内科 2杏林大学医学部・内科

ページ範囲:P.1588 - P.1589

文献購入ページに移動
 糸球体腎炎は,遺伝因子と環境因子(細菌,ウイルス感染など)をtriggerとして免疫ネットワークの失調が起こり,糸球体局所においてI〜IV型アレルギー反応を生ずるために発症すると考えられている.免疫抑制剤はステロイド剤とともに,この免疫プロセスにおいて抗体産生抑制という本来の作用を発揮し,さらに糸球体局所における抗炎症作用を介して糸球体腎炎の治療に有効とされている.免疫抑制剤はステロイド剤にひき続いて,糸球体腎炎の有力な治療薬剤として登場し,一時かなり脚光を浴びたが,最近では糸球体腎炎の病型と免疫抑制剤の効果の対比が進み,意外に有効な病型の少ないことが認識され,かつ長期使用に伴う副作用もクローズ・アップされ,慎重に適応症例を選択して使用すべきであるというのが一般的な見解となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?