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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻10号

1965年10月発行

文献概要

器具の使い方

知覚検査

著者: 平山恵造1

所属機関: 1虎の門病院・神経内科

ページ範囲:P.1509 - P.1511

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触覚の検査
 筆がしばしば用いられる(図1-a)。指で触つたのでは正しくないとか,筆をそのまま使用してはいけないとか,毛を2,3本にしたのを用いろとか,綿を細くとがらせたものがよいとか,器具の選択についての意見はいろいろであるが,問題は器具を一つだけ選定することよりも,場合により目的にかなつた器具を選び,それを使いこなすことである。
 患者がすでに触覚鈍麻に気づいているなら,検者は指を以つて検査を行なつても,その判定を誤まることはない。しかし患者自身は触覚鈍麻を自覚せず,触覚鈍麻の有無によつて診断が左右されるような場合なら,触る強さを変え体の左右対称部を比較したり,上下で比較したり慎重でなくてはならない。腕や下肢などの有毛部では2,3本の筆の毛で検査すると皮膚に筆毛が達しないためかえつて正確な結果が得にくくなる。とくに頭の有髪部では筆自体が検査に適当でない場合すらある。こういう場合にはむしろ先端の滑らかな棒のようなもので触る方が正確な答を得ることがある。また患者の物事に対する鋭敏さも大いに知覚検査の結果に影響を及ぼすから,一概に筆毛の2,3本にしたものが検査に適当であるとはいいきれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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