icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina2巻11号

1965年11月発行

文献概要

グラフ

免疫電気泳動法

著者: 高月清1

所属機関: 1京大・内科

ページ範囲:P.1612 - P.1617

文献購入ページに移動
 免疫電気泳動法は電気泳動とゲル内沈降反応との組合せで原理的には単純な方法であるが,この方法の導入により血清蛋白質に関する研究は急速に進歩した。従来のチセリウスまたは濾紙電気泳動法ではアルブミン,α1,α2,β,γ各グロブリンの5種の成分しか区別できなかつた血清蛋白にも本法では最高30種あまりの成分を証明し得る。
 しかし,定量的方法ではないから臨床診断上の直接的価値は限られている。とくに重要視されるのは多発性骨髄腫,原発性マクログロプリン血症およびこれらの類縁疾患における異常Immunoglobulinの検索とその分類である。現在の段階では,慢性炎症,肝硬変,膠原病などの高γグロプリン血症には本法を用いても診断的価値はない。
 一方,研究分野では目的とする蛋白質の同定,鈍度の吟味などによく用いられる。ここではImmuneglobulin系における検索を中心として免疫電気泳動法の有用性を紹介してみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?