icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina2巻12号

1965年12月発行

文献概要

グラフ

異常血色素

著者: 柴田進1

所属機関: 1山口大臨床病理

ページ範囲:P.1769 - P.1771

文献購入ページに移動
 溶血液(赤血球を水で溶解させた液)を電気泳動法(濾紙,寒天など)で調べ,正常血色素とちがつた泳動像を有するヘモグロビンを検出すれば,それが異常血色素である。クロマトグラフィー,溶解度試験,Singerのアルカリ変性試験または分光鏡検査でそれを確認する。異常な血色素成分を分離精製し,犬血色素との雑種血色素生成試験またはグロビンの尿素解製濾紙電気泳動法で病的鎖がα鎖かβ鎖か調べる。
 それがきまつたらグロビンまたは病的鎖をトリプシンで消化し,消化物のfingerprintをつくる。これに正常な血色素では見られない異常斑点があらわれる。この異常斑点を抽出し,要すればキモトリフシンなどで消化し,再び消化物のfingerprintをこしらえ,正常なものと比べて異常斑点を調べる。それを抽出し,加水分解して薄層クロマトグラフィーなどで水解物を調べ,個々のアミノ酸を検討すると,どんなアミノ酸がいれかわつて異常血色素の病的ポリペプチッド鎖になつたかわかる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?