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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻12号

1965年12月発行

文献概要

治療のポイント

高血圧症

著者: 尾前照雄1

所属機関: 1九大内科

ページ範囲:P.1811 - P.1812

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高血圧症の分類
 治療が正しい診断のもとに行なわれねばならぬことは,高血圧症の場合もけつして例外でない。血圧上昇ある場合の多くは本態性高血圧症であるが,これに似た病像をもちながら,はつきりした原因のある高血圧,すなわち2次性の高血圧を鑑別する必要がある。高血圧をきたす疾患の臨床的分類としては,Pickering1)のものがすぐれているので,最近の知見をも加えてこれを多少修飾したものを参考までに第1表に示した。この分類からも明らかなように,本態性高血圧症とは,拡張期血圧の上昇があつて,しかも原因の明らかでない高血圧症をいうのであつて,拡張期圧の高くない高血圧は,はつきりした原因がつかめなくても本態性高血圧症とはいわないことになつている。収縮期圧だけが高いものは収縮期性高血圧(systolichypertension)とよぶが,収縮期圧だけが異常に高く,拡張期圧の低い場合,すなわち脈圧の増加がいちじるしい場合は,心血管系の先天的ないし後天的異常(動静脈瘻,動脈管開存,大動脈弁閉鎖不全症,大動脈とその大きな分枝の硬化)によることが多く,これは心拍出量の増加もしくは大動脈の弾力性低下によつて起こる。心拍出量の増加による脈圧の増加はこのほか,徐脈(完全ブロック),重症貧血,甲状腺機能亢進症,発熱,骨のPaget氏病などがあげられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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