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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻12号

1965年12月発行

文献概要

ファースト・エイド

しゃっくり

著者: 名尾良憲1

所属機関: 1都立豊島病院内科

ページ範囲:P.1880 - P.1881

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 "しやつくり"は横隔膜の間代性けいれんによつて起こる症状で,急速な吸息と同時に声門が閉鎖するために,奇妙な音が発生する。この求心性刺激の伝達は迷走神経と横隔神経中の知覚線維によつて行なわれる。これが中枢に達し,さらに横隔神経中の運動線維を介して遠心性伝導が横隔膜に達して"しやつくり"が起こる。"しやつくり"の中枢は延髄にあつて,呼吸中枢,嘔吐中枢の近傍に存する。それゆえ,"しやつくり"の際に呼吸障害,嘔吐などが起こることがある。
 "しやつくり"は上述の反射弓のどこが刺激されても起こるわけである。胸腔底部,腹腔の病変にて直接的に横隔膜が刺激されると"しやつくり"が起こる。また横隔神経,迷走神経は縦隔内を走行するから,胸腔内の病変は"しやつくり"を起こす。また中枢が刺激されても"しやつくり"が起こる。epidemic hiccupとよばれるものが記載されているが,おそらく中枢神経系のウイルス感染症によるものであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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