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治療のポイント
気管支喘息の肺機能訓練療法
著者: 桂忍1
所属機関: 1関東逓信病院結核科
ページ範囲:P.378 - P.379
文献購入ページに移動気管支喘息患者の中には種々の治療によつても治癒しないものがある。このような患者に対しては肺機能訓練療法Lung Physical Therapyが残されている。本法の狙いとするところは喘息の発作を制御あるいは克服するように,そして誤つた不規則な呼吸から正しい呼吸に戻るように介助することである。
気管支喘息発作時の呼吸状態は喘鳴を伴う呼吸困難でこれは気管支輪状筋の痙攣,気管内分泌物の増加,気管支粘膜の浮腫腫脹に原因する。その結果は肺気腫様変化を起こし,発作の反覆により可逆性であつたものが不可逆性器質的変化となる。また横隔膜は下方に圧迫され,横隔膜運動は極度に低下する。胸廓は樽状に変形し胸式呼吸も制限される。一方患者は不安と恐怖のために精神的に緊張し,同時に全身の筋肉も緊張する。その結果呼吸はさらに浅く小さくなつて呼吸困難の程度が倍加される。
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