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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻3号

1965年03月発行

文献概要

治療のポイント

緊張性頭痛

著者: 木村政資1

所属機関: 1九大・心療内科

ページ範囲:P.383 - P.384

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はじめに
 緊張性頭痛という言葉は,臨床的には一般に心理的な不安緊張によつておこる頭痛と,頸部や頭部の骨格筋の緊張,攣縮によつておこる頭痛と,主として頭蓋血管の拡張,伸展によつておこる血管性頭痛とを意味して使われているようである。しかし,心理的緊張のみによる頭痛以外の筋性ないしは血管性頭痛の場合でも,骨格筋の緊張,攣縮や血管壁の機能性変化などは精神的因子の影響を受けやすいので,いずれにしても緊張性頭痛の発現機序における心理的因子の占める比重は相当に大きいものといわねばならない。もちろん心因によつてのみ緊張性頭痛が発現するというわけではなく,体質や性格的な問題など頭痛を引き起こしやすい素地の上で,心的因子が引ぎがねの役を果たして症状の発現をみるものと考えられる。しかし欧米では一般に,緊張性頭痛という言葉には心因的色彩が強く打ち出されており筋性頭痛はむしろ緊張性頭痛とは区別して考えられているようである。Friedmanの報告によると400例の緊張性頭痛の患者の全例で意識的にしろ無意識的にしろ発病と関連して心的葛藤が認められている。このほか,緊張性頭痛は他のタイプの頭痛に付加して現われることがある。たとえば偏頭痛や眼性あるいは耳性の頭痛がある場合二次的に頭部や頸部の筋の攣縮をおこし,筋性の緊張性頭痛が生じ症状を一層複雑化していることがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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