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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻3号

1965年03月発行

文献概要

症例

選択的腎動脈撮影—2.腎腫瘍

著者: 田坂晧 竹中栄一 山内尚聰 北川龍一

所属機関:

ページ範囲:P.428 - P.431

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 腎腫瘍の診断には腎盂撮影による腎杯および腎盂の変形を判断することが重要であることはいうまでもない。腎杯に変化をおよぼさないような小さい悪性腫瘍の存在や変形があつてもそれが悪性腫瘍によるのか嚢腫であるのかの鑑別に動脈撮影が決定的根拠をあたえることが認められている。
 腎の悪性腫瘍は原則としてきわめて血管が豊富で,動脈撮影で豊富な血管がみとめられ,動脈分枝は不整で,蛇行をし,走行や内径が不規則に変わり,多数の分枝をつくり吻合をして動静脈瘻を形成する。このような病的血管は腫瘍全体にみられることも,またごく一部にだけみられることもある。腫瘍の中心部が壊死におちいり血管がなくなり,周辺部だけに病的血管があるときに定型的な"pooling"とか"laking"といわれる像を示す(1)。このような病的血管は動脈相からネフログラム相にかけて認められるが,わずかな病的血管しか示さない例があるので選択的造影で連続撮影をすることが必要となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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