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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻4号

1965年04月発行

文献概要

グラフ

骨髄腫

著者: 長村重之1

所属機関: 1東医大内科

ページ範囲:P.495 - P.497

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 骨髄腫患者の骨髄穿刺液中に多数認められる細胞はきわめて多彩であるが,共通に認められる細胞は形質細胞ないし,形質細胞様細胞であり,一般にこれを骨髄腫細胞という。骨髄腫には骨髄に結節を形成し,骨を破壊するossales Myelomと,骨髄全体にびまん性に発生するdifuses Myelomとがあるが,いずれも形質細胞の異常増殖が認められる。したがって形質細胞性骨髄腫という名称を提唱している人もいる。
 骨髄腫細胞の大きさは15〜20μで,境界の鮮明な円形ないし卵円形細胞で,一般に原形質の巾が広く好塩基性に濃染し,紫青色ないし青色を呈しており,正常の形質細胞より淡いことが多い。核は円形で通常1個であるが,分節しているもの,およびくびれを有するものもあり,多くは偏在している。核の輪廓は鮮明でクロマチン網工はきわめて繊細緻密であり.通常1個の比較的大きい核小体を有する。核小体は時に5μくらいに及ぶこともある。骨髄腫細胞の中には正常の形質細胞によく似て区別の困難なものもある。その他細網細胞および,類リンパ球に類似するものもある。したがって骨髄腫は細胞の形態学からは,1)成熟形質細胞が主体である場合一形質細胞腫,2)定型的な骨髄腫細胞が主体である場合一形質芽細胞腫 3)異型の強い形質細胞性細網細胞が主体である場合一形質細胞性細網症,4)類リンパ球が主体である場合一類リンパ球性細網細胞症に分けられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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