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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻5号

1965年05月発行

文献概要

治療のポイント 生活指導

胃下垂症の生活指導

著者: 日野貞雄1

所属機関: 1胃腸病院

ページ範囲:P.700 - P.702

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胃下垂症の本態について
 まずはじめに胃下垂症とはどんな疾患かということをのべておかねばならない。衆知のごとく,胃が下つているだけで胃下垂症という病名を与えるのは誤りといわねばならない。胃が下つているだけなら長胃Lang-magenというべきで,牛角胃や鈎状胃と同じように一つの胃型というべきであろう。胃下垂症の胃は下垂とともに緊張の低下をともなうことが条件になつている。つまり胃液分泌を除いた胃機能が低下しているということができる。
 しかし私は胃下垂症は胃だけの病気とは考えていない。胃以外の腹腔臓器の下垂,これにともなう機能低下ということも当然ともなつている。たとえば大腸の下垂,アトニーは便秘という症状を現わし,胆嚢や腎臓の下垂は胆道ジスキネジーや遊走腎として症状を現わすことがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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