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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻5号

1965年05月発行

症例 腰痛症のX線所見

腰椎椎間関節性腰痛のX線所見

著者: 恩地裕1

所属機関: 1奈良医大・整形外科

ページ範囲:P.713 - P.715

文献概要

腰背痛を起こす疾患
 腰背痛という症状は臨床医ならば,内科外科を問わず,日常つねに出くわすものである。ところが,この腰背痛を起こしてくる疾患は非常に多く,その診断は専門医でも困難な場合が多い。ちなみに腰背痛を起こしてくる疾患のうち,脊椎に起因するもののだいたいを列挙してみると,変性性疾患として変形性脊椎症,骨粗鬆症,椎間板ヘルニア,椎間関節症など,炎症性疾患として脊椎カリエス,化膿性脊椎炎,リウマチ性脊椎炎など,また,転位がんを含む種々の脊椎腫瘍などが日常よく見られるものである。これらのうち,とくに腰背痛の原因として多く見られる腰椎椎間関節性腰痛について,そのレ線診断,ならびに治療について述べることにする。
 腰椎椎間関節性腰痛(Facet Syndrome)は1933年GhormleyがFacet Syndromeとして報告して以来,注目されるようになつたものである。このFacet Syndromeの臨床症状は個体により,またその程度によりさまざまであるが,姿勢に関係した局在性の腰痛,従来,腰部捻挫として取り扱われたような激痛,大腿外側への牽引痛,しびれ感などを主訴とするものである。年齢的には30〜40歳がもつとも多い。Fecet Syndromeの他覚所見は,通常,第IV,第V腰椎棘突起の高さで脊椎の両側,あるいは片側に限局性の圧痛を証明することが多く,圧痛側に背筋の緊張を証明するのがふつうである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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