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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻5号

1965年05月発行

文献概要

臨床検査の盲点

1回静注によるクリアランス法

著者: 阿部裕1

所属機関: 1阪大中検

ページ範囲:P.777 - P.777

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 Van Slykeによつて提唱されたクリアランスの概念が,腎で特異的動態を示す数種の物質に応用され,腎血行動態の計測が容易に行なわれるようになつた。なかでも腎血漿流量(RPF)と糸球体透過量(GFR)は生理的意義が明瞭で,病的腎においても障害部位をよく反映した変化を示すので,現今ほとんどroutine testとして各検査室で行なわれている。
 ところがクリアランスという一見高級な言葉とml/minといういかにも精密な感じを与える単位にまどわされて,何をさておいてもこの成績を信じこみ,極端な場合は少数点以下2桁まで有効数字を出している場合すらある。複雑な検査ほど検査誤差,測定誤差がはいりやすく,まして腎血漿流量,糸球体透過量など時々刻々と変化しているのであるからとうていこんな正確なデーターが出るはずはない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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