icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina2巻5号

1965年05月発行

メティチーナジャーナル 代謝

Metabolic Myophathies—最近明らかにされた筋疾患

著者: 田崎義昭1

所属機関: 1東邦大内科

ページ範囲:P.779 - P.779

文献概要

 近年,筋疾患の研究はいちじるしく進歩し,臨床的に興味深い知見が数多く報告されつつある。
 このようなめざましい発展をとげた主な理由は,酵素学を主とした生化学的,組織化学的研究の進歩,電子顕微鏡による筋の微細構造の検討などによるものである。生化学的異常が明らかにされている筋疾患のうち,metabolic myopathiesと呼ばれているものに最近多くの関心が寄せられている。これには(I)骨格筋の解糖系代謝異常によつて起こるもの,(II)家族性周期性四肢麻痺,(III)mitochondriaの代謝異常によるものが含まれている。いずれも稀な疾患である。(I)は糖原病glycogen storage diseaseの一種で,先天的な酵素の欠損によつてグリコーゲンの代謝異常がおこり,myopathyを示すものである。このうちMcArdle病は1951年に初めて報告され,特有な筋症状を主症状としている。発病は小児期のものが多く,運動後に筋肉が有痛性の痙攣を起こす。硬直状態の筋を筋電図で調べると電気活動が完全に消失している。また上腕をマンシエツトで圧迫し,虚血状態にしておいて前腕,手の運動を行なわせ,肘静脈血の乳酸を測定すると,正常人では明らかに増加するのに,McArdle病では増加を示さない。しかも筋の硬直時にブドウ糖を静注すると症状が軽快する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら