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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻6号

1965年06月発行

正常値

血清膠質反応

著者: 林康之1

所属機関: 1順大臨床病理

ページ範囲:P.924 - P.925

文献概要

正常値
 各膠質反応の正常範囲を表1に示した。判定成績の多くは陽性,陰性で示され,数値として表現される膠質反応はチモール混濁試験(TTT)および硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)の2種類である。血清膠質反応はタンパク質の質的,量的変動を示す非特異的反応と考えられ,結果の判定は定性検査的な傾向の強い検査である。臨床的には血清タンパク質の変化を示しやすい肝疾患に,肝機能検査のひとつとして広く利用されているが,微細な数値の変動を臨床経過の判断のうちにとりいれてゆくにはまだ困難な点が多い。ことに膠質反応は本質的に化学分析ではないため,規準となる標準物質はなく,陰性,陽性の判定も,光電比色計を用いる(TTT),(ZTT)のごとく客観的数値を求めうる検査法の正常値も,検査術式を厳密に規制しなければ同じ立場で成績の比較,評価はできない。これが表示のごとく(ZTT),(TTT)正常値の報告が著者3)により多少差の見られる理由のひとつでもある。これらの混乱をなるべく少なくするため肝機能検査の標準操作法が討議2)され,統一の方向に向かいつつあり,われわれの教室では本法に従つたときの健康人正常値として,(TTT)は1.39単位(4単位以下),(ZTT)は4.97±3.90単位(10単位以下)と報告1)した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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