文献詳細
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文献概要
肺がんと結核,慢性肺炎,その他の炎症性変化とのレ線像における鑑別の要点は,腫瘍は周辺の組織を圧排するところの膨張性変化の所見を呈することであり,他は炎症の治癒像,すなわち線維組織の出現に由来する収縮性の変化を多かれ少なかれ伴うということである。辺縁にあつて血管に冨み,早期に転移を起こす腺がんの場合には,とくに腫瘍が小さい時に診断されねばならないので,出現の時期を捉えること,そしてどのような環境で新しい陰影が現われたかを捉えることが最初の手がかりとなる。扁平上皮がんは,中心に多く連続性に徐々に発展するので,無気肺や,気管支閉塞に由来する炎症像を伴いやすくなるが,細胞診や気管支鏡検査で確認できることが多い。以下に数例のレ線像を例示する。
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