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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻7号

1965年07月発行

文献概要

正常値

血中,尿中アミラーゼ値—方法による違い

著者: 丹羽正治1

所属機関: 1国立小児病院検査科

ページ範囲:P.1092 - P.1093

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酵素の活性値とは
 アミラーゼ(AM)の正常値について述べる前に注意すべきことがある。それは「酵素の定量」と便宜的にいうことがあつても,ほかの物質の場合と違つて酵素自体がたとえば何mgあるかを直接表現せずに,ある特定の条件のもとでのはたらきの程度,すなわち活性値を測つていることである。
 これは「人の身長をその陰影から推定する」ことに似ている。そのため同一検体の「酵素を定量」しても,測定方法が違つて使う基質や緩衝液の種類や濃度,水素イオン濃度,放置温度や時間などの各種の条件が違えば結果も変動する。また検体中で酵素のはたらきを賦活したり,阻害したりする物質が増減しても活性値は影響されることも一応は考えておく必要がある。そのうえ,活性単位の算出規準も測定方法によつてそれぞれ違つたものが採用されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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