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文献詳細

雑誌文献

medicina2巻8号

1965年08月発行

文献概要

治療のポイント

ネフローゼ症候群

著者: 浅野誠一1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.1184 - P.1185

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まず原病を考える
 ネフローゼ症候群は一つの疾患単位ではなくて種々の原病によつておこされる症候群であるから,治療をはじめる前に,その原病を考えることである。純型リポイドネフローゼ,腎炎のネフローゼ期,Lupus erythematodeo腎症,糖尿病性腎症(Kimmelstiel症候群),梅毒腎,アミロイド腎,骨髄腫腎,薬物中毒腎(てんかん治療剤Tridioneなど),腎静脈血栓などの原病となるべきものを診断することは,それぞれ原病に対する特殊な治療法によつて軽快しうるものが含まれているからであり,また,しばしば劇的に奏効するsteroid療法は上記のうち最初の三者にしか効果が期待できないからである。そして原病が特殊なことが明らかなものは,当然その原病に向つての治療が必要で,たとえば梅毒腎ならば駆梅療法,薬剤中毒腎ではその薬剤の投与中止がまず必要である。
 ネフローゼ症候群は原病はなんにせよ,図のような系列のもとに浮腫を発生すると考えられるから,種々の治療法の作用点の位置をみて,その上位の治療法がよいことになる。ACTHや副腎ステロイドの真の作用機序についてはなお不明の点が多いが,現在,本症候群の出発点に作用すると考えられているので,これが有効なことが最ものぞましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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