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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻1号

1983年01月発行

今月の主題 心筋梗塞のハイライト

発症

冠動脈造影からみた心筋梗塞の発症

著者: 藤井諄一1 相澤忠範1 小笠原憲1 加藤和三1

所属機関: 1心臓血管研究所

ページ範囲:P.18 - P.22

文献概要

 冠状動脈のアテローマ性硬化に血栓性閉塞が重なることが,最も普通にみられる心筋梗塞の発生機序であることは,多くの研究の積み重ねから周知の事実となっている1,18).そして典型的な心筋梗塞においては,通常,主要冠動脈枝の少なくとも1本に75%以上の狭窄ないしは完全閉塞が認められることが,冠動脈造影や剖検で裏付けられてきた.一方,治療法の進歩,冠動脈造影技術の進歩に伴い,少数ではあるが冠状動脈造影では冠動脈にまったく狭窄病変を認めない心筋梗塞例も報告されている13〜17).また最近,心筋梗塞の急性期における冠動脈造影により,心筋梗塞発症時においては梗塞部位を灌流する責任冠動脈はほぼ完全閉塞を示していることが知られている4〜10).それに対して慢性期に施行された冠動脈造影では,多くの例で種々の程度に再疎通(recanalization)を来たしており,一部の例では冠攣縮も証明されている.
 以上の知見をもとにして,心筋梗塞症の冠動脈造影像,心筋梗塞症と冠攣縮,有意冠病変を有しない心筋梗塞症について自験例をもとに解説し,冠動脈造影所見からみた心筋梗塞の発症について考察してみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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