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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻10号

1983年10月発行

文献概要

今月の主題 血小板の臨床 疾患における血小板機能

糖尿病・高脂血症における血小板機能

著者: 都島基夫12

所属機関: 1国立循環器病センター内科 2国立循環器病センター代謝・動脈硬化部門

ページ範囲:P.1698 - P.1702

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 糖尿病や高リポ蛋白血症(高脂血症)は,動脈硬化の成因として,重要な役割を果たしている.糖尿病の粥状動脈硬化を進行させる機序としては,①組織の栄養障害に基づく,血管壁の傷害因子としての役割,②糖尿病に起因する脂質代謝異常によるpromotorとしての役割,③初期の糖代謝異常にみられる内因性高インスリン血症による血管透過性の亢進や平滑筋の増殖,④糖尿病による慢性的な脱水症状のための血液レオロジーの面からの意義,⑤これから述べる血小板機能亢進との関連などである.
 一方,高リポ蛋白血症の粥状硬化における役割は粥状硬化巣にたまっているのがコレステロール・エステルであり,家族性高コレステロール血症(FH)で代表されるようなpromotorとしての働きである.さらに高コレステロール食で飼育した家兎にみられるように血管壁を傷害するinitiatorとしても作用している.粥状動脈硬化に基づく虚血性心疾患や脳梗塞の危険因子として,糖尿病や高脂血症が上位に位置づけられているが,これはatherogenesisとしての意義だけでなく,thrombogenesisすなわち,発症因子としても大きな役割を果たしているからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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