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今月の主題 血小板の臨床 疾患における血小板機能
糖尿病・高脂血症における血小板機能
著者: 都島基夫12
所属機関: 1国立循環器病センター内科 2国立循環器病センター代謝・動脈硬化部門
ページ範囲:P.1698 - P.1702
文献購入ページに移動一方,高リポ蛋白血症の粥状硬化における役割は粥状硬化巣にたまっているのがコレステロール・エステルであり,家族性高コレステロール血症(FH)で代表されるようなpromotorとしての働きである.さらに高コレステロール食で飼育した家兎にみられるように血管壁を傷害するinitiatorとしても作用している.粥状動脈硬化に基づく虚血性心疾患や脳梗塞の危険因子として,糖尿病や高脂血症が上位に位置づけられているが,これはatherogenesisとしての意義だけでなく,thrombogenesisすなわち,発症因子としても大きな役割を果たしているからである.
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