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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻11号

1983年11月発行

文献概要

今月の主題 各種病態における抗生物質の使い方 各種疾患から検出される細菌の動向

尿から検出される細菌

著者: 猪狩淳1

所属機関: 1順天堂大学医学部・臨床病理

ページ範囲:P.1918 - P.1920

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 各種化学療法剤の開発および化学療法の発達は,感染症に対する治療を飛躍的に向上させたが,一方,起炎菌にも大きな変化をもたらした.すなわち,薬剤耐性菌の出現,常用抗生剤に自然耐性を示すことが多い緑膿菌や変形菌の増加である.さらに,公衆衛生活動の普及,医療の目ざましい進歩は,伝染性の強い感染症を減少せしめたが,人体の皮膚,粘膜や生活環境に常在する弱毒菌(平素無害菌)による感染症が増加してきている.緑膿菌をはじめとするブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌(以下非発酵菌)やSerratiaなどが代表となる.この種の細菌による感染症は,先天的にあるいは後天的(2次的)に感染に対する抵抗力が低下した者のみにみられ,nosocomial infectionあるいはopportunistic infectionとしての性格をもつ1).かかる感染症の起炎菌の変化および感染症の病態の変化は,尿路感染症においても例外ではない.
 以下,尿から検出される細菌の動向を,筆者らの集計結果を中心に述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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