今月の主題 各種病態における抗生物質の使い方
新しい抗生物質の理解のために
付)セフェム系抗生物質によるジスルフィラム(アンタブース)様作用
著者:
酒井茂1
熊本悦明1
古屋聖児2
横山英二2
青山龍生3
本間昭雄3
所属機関:
1札幌医科大学・泌尿器科
2北見赤十字病院・泌尿器科
3旭川赤十字病院・泌尿器科
ページ範囲:P.1934 - P.1937
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最近の抗生剤開発にはめざましいものがあり,感染症治療の進歩に大きく貢献している.その中心は,β-lactam系抗生剤,とりわけcephem系抗生剤であり,抗菌力の増強や抗菌スペクトラムの拡大をめざし,いわゆる第2・第3世代のcephem系抗生剤が多数開発され,日常臨床で広く使用されている.Cephem系抗生剤は,従来より比較的安全な薬剤として日常臨床で繁用され,その副作用としては,抗生剤自体の腎・肝毒性などのほかは,アナフィラキシー反応があげられている程度であった.最近,cephem系抗生剤の投与中または投与後に,alcoholを摂取するとdisulfiram(antabuse)様作用を示すことのあることが報告され,ある種のcephem系抗生剤とalcoholの相互作用について注意が促されている.
本稿では,cephem系抗生剤によるdisulfiram様作用について,自験例をまじえて解説する.