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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻11号

1983年11月発行

文献概要

カラーグラフ 臨床医のための甲状腺生検

髄様癌の細胞診所見

著者: 藤本吉秀1 小原孝男3 平山章2

所属機関: 1東京女子医科大学・内分泌外科 2東京女子医科大学病院病理科 3東京女子医科大学

ページ範囲:P.1958 - P.1959

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 髄様癌はサイロキシン,トリヨードサイロニンを合成分泌する濾胞上皮由来の甲状腺癌と違って,傍濾胞細胞(C細胞)由来の腫瘍であり,カルシトニンを産生分泌する.病理組織学的には非被包性の充実性腫瘍で,腫瘍細胞は線維性結合織に区切られてシート状,索状に増殖する.間質のCongo-red染色に染まるアミロイド沈着,細胞質内のGrimelius染色陽性穎粒,電顕的にカルシトニン分泌穎粒の存在,の3つが特徴的所見である.
 髄様癌には散発性発生のものと,遺伝性発生のものとがある.遺伝性発生例は常染色体優性遺伝の型式で家族性に生じ,その多くは多内分泌腺腫瘍症第2型〔Multiple Endocrine Neoplasia(MEN)type2〕の部分症として現われる.MEN2型には甲状腺髄様癌,副腎褐色細胞腫,上皮小体過形成または腺腫の組み合わせで生じる2A型と,甲状腺髄様癌,副腎褐色細胞腫,粘膜神経腫,マルファン様体形の組み合わせで起こる2B型がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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