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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻12号

1983年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント I.感染症 抗生物質の的確な使用

3.新しいペニシリン(piperacillin)の使用法

著者: 北原光夫12

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科 2慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.2066 - P.2067

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特徴
 ピペラシリン(piperacillin sodium,Pentocillin®,以下PIPC)は新たに開発された半合成ペニシリンであり,in vitroでは抗菌作用の広い抗生物質である(図).
 PIPCはcarbenicillin group(抗緑膿菌ペニシリン)に比較して抗菌範囲が広いので,extended-spectrum penicillinsとよばれるグループに属している(表).つまり,PIPCはグラム陽性球菌のうちレンサ球菌に対する効力は,肺炎球菌,腸球菌を含めてampicillinと同様である.しかしながら,PIPCはブドウ球菌の有するペニシリナーゼ(コアグラーゼ)にて分解されるので,ampicillin,carbenicillinに比べて,ブドウ球菌に対しての効力は変わりない.グラム陰性球菌である淋菌・髄膜炎菌にはampicillinと同じような効果がある.グラム陰性桿菌に対する抗菌力は今までの抗菌スペクトルの広いペニシリンに比べて,PIPCはさらに抗菌力が広くなっている.つまり,表にみられるように,carbenicillinに比較して抗菌力は優れている.たとえば,PIPCはE.coli,Salmonella,Shigellaを6.3μg/mlという低い濃度で抑制するが,これらがβ-lactamaseを有すると無効である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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