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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻12号

1983年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント V.消化管・腹膜疾患 薬物療法のポイント

91.抗コリン剤の潰瘍治療における意義と新しい抗コリン剤

著者: 竹本忠良1 衣川皇博1

所属機関: 1山口大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2282 - P.2283

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 "Kein Ulkus ohne Säure"の格言が示すように,消化性潰瘍の成因には胃酸分泌がもっとも重要な役割を演じている.したがって,消化性潰瘍の治療は,この胃酸の中和あるいは分泌の抑制に主目標がおかれてきた.現在では,Shay & Sunらの提唱するbalance theoryが最も支持され,消化性潰瘍の治療のあり方はこの説にしたがって,攻撃因子の抑制,あるいは防禦因子の増強を目的としてなされるようになっている.
 さて,攻撃因子抑制剤としては,ヒスタミンH2receptor antagonistのcimetidineがあらわれるまでは,抗コリン剤が薬物療法の主流をなしてきた.しかし最近,抗コリン剤としてはムスカリン受容体を選択的にブロックする薬剤であるpirenzepine(Gastrozepin®)が使用されるようになり,副作用も少なく,かなりの臨床効果をあげている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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