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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻12号

1983年12月発行

臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント

V.消化管・腹膜疾患 内科的治療の限界と手術のタイミング

100.いわゆる腸管癒着症—Polysurgeryを予防するにはどうすればよいか

著者: 渡辺晃1

所属機関: 1国立水戸病院

ページ範囲:P.2302 - P.2303

文献概要

Polysurgeryとは
 腸管癒着症は意外に多く,虫垂切除などが安易に行われ,腹痛などのため,腸管癒着症,術後困難症として何回も手術が重ねられ,結局,polysurgeryへと発展し,内科,外科,婦人科,精神科などを巡回し諸々の訴えで多くの医師を訪ねるようになる.現在治療上,匙が投げられ,鎮痛剤,下剤,精神安定剤などが主に用いられている症候群であるといえる.
 筆者が20数年前,専売公社仙台工場診療所に嘱託医として勤務していた当時,虫垂切除を受けた女工がしばしば作業中突然,腹痛,嘔気・嘔吐などを訴えて来るものが多かった.これらの患者は総じて虫垂炎の程度は軽く,また手術創が小さく圧痛を認め,便秘を訴える者が多かった.筆者はいろいろな検査を行って原因を究明し,その対策を講じなければならないと考えたのが,polysurgery研究の出発点となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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