icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina20巻12号

1983年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント VI.肝・胆道・膵疾患 薬物療法のポイント

113.抗ウイルス剤によるB型慢性肝炎治療の展望

著者: 鈴木宏1

所属機関: 1山梨医科大学・第1内科

ページ範囲:P.2338 - P.2340

文献購入ページに移動
 B型慢性肝炎に対して抗ウイルス剤として使用されているものにはインターフェロン(IFN)とAdenine arabinoside(Ara-A)がある.IFNはすべてのウイルスの増殖抑制作用があるが,Ara-AはDNAウイルスに対してのみ増殖抑制作用が認められており,B型肝炎ウイルス(HBV)はDNAウイルスの1種であるので,B型慢性肝炎に対して使用されている訳である(これらの薬剤は1983年12月末現在,わが国ではまだ市販されていない).
 IFNには,IFN-α(白血球由来),IFN-β(線維芽細胞由来)およびIFN-γ(リンパ球由来,免疫IFN)の3つがあるが,わが国ではまだIFN-αとβが臨床に使用されているに過ぎない.現在は,IFN-αは白血球,IFN-βは培養線維芽細胞から精製しているため,量に制約があるが,遺伝子工学による大量生産に成功しているので,将来は容易に大量を使用できると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?