文献詳細
臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VI.肝・胆道・膵疾患 再燃再発を防ぐための維持療法と社会復帰
132.肝性昏睡に陥った既往がある肝硬変症
著者: 小林健一1 田中延善2
所属機関: 1金沢大学医学部・第1内科 2金沢大学医学部・内科
ページ範囲:P.2382 - P.2383
文献概要
45歳,男性.主訴は意識障害発作.昭和48年(37歳)全身倦怠で某病院受診,慢性B型肝炎と診断された.その後放置.同54年10月食道静脈瘤に対し,予防的に脾摘出術ならびに脾腎静脈吻合術が施行された.約1年半後より眠くてたまらないことが時々あり,自宅へ帰るまでのことをほとんど覚えていない状態も出現し,某病院に同56年9月1カ月間入院軽快したが,さらに精査治療のため金沢大学第1内科へ同年12月14日紹介入院となった.
入院時,黄疸・腹水は認められず,肝血管造影など精査の結果,HBs抗原・e抗体陽性の乙型(三宅分類)肝硬変で,明らかな脾腎静脈シャントおよび食道静脈瘤(内視鏡分類II度)の合併がみられた.脳波ではθ波がみられ,血中アンモニア値は200μg/dl(正常40〜100μg/dl)と高値を示していた.
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