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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻12号

1983年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント IX.代謝・栄養障害 問題となるケースの治療

173.高脂血症と糖尿病を合併した先端巨大症

著者: 村勢敏郎1 高久史麿1

所属機関: 1東京大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.2474 - P.2475

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症例
 20歳の女性で,5年の経過をもつ活動性先端巨大症の患者である.4カ月ほど前から口渇,多飲,多尿の糖尿病症状が発症して入院となった.身長167cm,体重57kgで,理学的に先端巨大症による症状が明らかであった.視野狭窄はなく,眼底ではlipemia retinalisが認められた.トルコ鞍は拡大し,血中成長ホルモン(GH)濃度は80ng/mlと著しく高く,空腹時血糖値も300mg/dlと著明に高値であった.血清は乳び状に白濁し,血清トリグリセライド(TG)値は5,694mg/dl,コレステロール値は493mg/dl,血清を4℃に48時間放置したところ上層にクリーム層の浮上を認め,高脂血症V型と診断された.ヘパリン(10単位/kg体重)静注後のリポ蛋白リパーゼ(LPL)活性はほとんど検出できなかった.
 入院後の経過は図に示すとおりである.インスリンの補充と食事療法とにより,血清TG値は500mg/dl程度に改善されたが,血糖値はラピタード・インスリン48単位を使用しても十分なコントロールがえられなかった.2カ月後に下垂体腫瘍の摘出手術をうけたが,術後もGHの高値は持続した.血糖はインスリンの補充を行わずに良好なコントロールがえられるようになったが,血清脂質についてはなおTG500mg/dl程度の高脂血症が持続した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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