icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina20巻12号

1983年12月発行

臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント

XII.癌 内科領域の固型癌の特殊な治療法

248.肝臓癌の動脈塞栓療法

著者: 山田龍作1 北山健1 浜地順子1

所属機関: 1和歌山県立医科大学・放射線医学

ページ範囲:P.2658 - P.2659

文献概要

 肝臓癌は本邦や東南アジアに多発する悪性腫瘍で予後不良の疾患である.治療としては,近年の外科学の進歩に伴い,果敢に肝切除術が行われ,その治療成績の向上がみとめられるが,必ずしも満足すべきものではない.日本肝癌研究会の報告によれば1,2),1年生存率28%,3年生存率18%にすぎない.これらの成績は切除可能例に対するものであり,90%にのぼる切除不可能例に対しては肝動脈結紮術や肝動脈内抗癌剤投与が行われてきたが,それらの成績はさらに不良である1,2)
 筆者らは1977年から肝臓癌に対し肝動脈塞栓術を施行し,本法が肝臓癌に対する治療として,従来の治療法よりはるかに良好であるとの成績を得ているので,その実際について述べる.肝臓は図のごとく門脈と肝動脈の二重支配を受けているが,肝臓癌はほぼ100%肝動脈栄養由来とされるので3),肝動脈の塞栓により肝癌組織のみが選択的に壊死に陥るわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら