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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻13号

1983年12月発行

文献概要

今月の主題 胃・十二指腸潰瘍—その基礎と臨床のすべて 胃・十二指腸潰瘍の発生

消化性潰瘍の素因(体質と気質)

著者: 田中康徳1 中川哲也2

所属機関: 1九州大学医学部・心療内科消化器研究室 2九州大学医学部・心療内科

ページ範囲:P.2682 - P.2683

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 消化性潰瘍の成因の1つとして,従来より遺伝的素因の関与が考えられていた.しかし,潰瘍の素因を裏付ける亜臨床的符号subclinical markerとなりうるものが発見できなかったため,この分野の研究は立ち遅れざるをえなかった.しかし,近年,潰瘍の遺伝的素因の指標genetic markerとして血清ペプシノーゲン1(serum pepsinogen 1;PG 1)の測定が有用であるとの見解が発表され1,2),さらに現在では,消化性潰瘍の遺伝的素因を示唆する有力な仮説として「遺伝的異質性genetic heterogeneity」という概念が提唱され1),本症の遺伝的素因についての関心が高まっている.
 本稿では,潰瘍の遺伝的素因を体質的素因と気質的素因の大きく2つに分け,とくに体質的素因については,①高PG 1血症,②HLA抗原,③血液型について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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