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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻13号

1983年12月発行

文献概要

講座 臨床薬理学 薬物療法の考え方・19

妊産婦における薬物投与法—妊娠中の母体から胎児へ及ぼす薬物の影響

著者: 中野重行1

所属機関: 1愛媛大学医学部・薬理学

ページ範囲:P.2841 - P.2845

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 妊娠中には,その時期によって特徴的な種々の生理学的な変化が生ずるために,薬物の体内動態もその影響を受けることが容易に予測される.また,母体における薬物動態の変化のみならず,胎児に対する薬物の影響も考えなければならない.胎児に対する薬物の影響を考えるにあたっては,薬物の胎盤通過の特性の理解が必要になる.さらに,出産後は,母親に投与された薬物が母乳を通じて乳児の体内に入るので,薬物の乳汁中への移行についての知識を整理しておく必要がある.
 しかし,妊婦の多くは薬物の服用を敬遠しがちであり,また,服用するとしても短期間にしかすぎないことが多く,さらに,健常人volunteerに薬物を投与して検討するといった種類の試験は倫理的に困難であること,などの種々の理由から,妊産婦における薬物投与法の根拠となりうる科学的データーの報告は比較的少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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