文献詳細
文献概要
今月の主題 免疫からみた腸疾患 腸内感染症と免疫
細菌
著者: 神中寛1
所属機関: 1防衛医科大学校・細菌学
ページ範囲:P.210 - P.211
文献購入ページに移動 □腸管感染症と古典的ワクチン
経口的に感染し,感染の場が主として腸管に限定される感染症を腸管感染症と定義すれば,細菌によるものとして,コレラ,赤痢などの古典的伝染病や,大腸菌,サルモネラ,腸炎ビブリオ,腸炎エルシニア,カンピロバクター,ウエルシ菌などの感染を挙げることができる(チフス,パラシフスは全身疾患として除く).最初の2つは,先進諸国では現在あまり大きな問題でなく,食中毒を中心として他の菌のほうが重要であるが,発展途上国ではいずれもが重要な疾患であり,その予防対策が望まれている.
19世紀末以来、その対策の1つとして種々のワクチンが考案されたが,近年すすめられた再検討の結果,最も広く用いられたコレラワクチンさえその効果は満足なものではなく,多くの改良を要することが解った.その改善の試みの途上で,腸管感染症の成立に関与する病原因子の解析と局所免疫機構の解明とが重要であるとの認識が現れてきた.以下にそれを要約してみる.
経口的に感染し,感染の場が主として腸管に限定される感染症を腸管感染症と定義すれば,細菌によるものとして,コレラ,赤痢などの古典的伝染病や,大腸菌,サルモネラ,腸炎ビブリオ,腸炎エルシニア,カンピロバクター,ウエルシ菌などの感染を挙げることができる(チフス,パラシフスは全身疾患として除く).最初の2つは,先進諸国では現在あまり大きな問題でなく,食中毒を中心として他の菌のほうが重要であるが,発展途上国ではいずれもが重要な疾患であり,その予防対策が望まれている.
19世紀末以来、その対策の1つとして種々のワクチンが考案されたが,近年すすめられた再検討の結果,最も広く用いられたコレラワクチンさえその効果は満足なものではなく,多くの改良を要することが解った.その改善の試みの途上で,腸管感染症の成立に関与する病原因子の解析と局所免疫機構の解明とが重要であるとの認識が現れてきた.以下にそれを要約してみる.
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