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今月の主題 免疫からみた腸疾患 腸疾患の臨床
膠原病,ベーチェット病
著者: 岡田純1 柏崎禎夫1
所属機関: 1北里大学医学部・内科
ページ範囲:P.226 - P.227
文献購入ページに移動 膠原病およびベーチェット病(BD)は,多臓器障害性の全身性炎症性疾患で,腸病変を合併することもさほど稀ではない,しかし,その病態成立機序,病像ならびに疾患に含める臨床的意義は疾患ごとに異なる.すなわち,全身性エリテマトーデスや多発性動脈炎では,主として血管炎に起因した虚血性腸炎が主体となり,時に死因となることもある.強皮症では,腸管固有筋層の萎縮と変性,ならびに粘膜下層の線維化が病態成立の主因であるが,死因に直結することはほとんどない.一方,BDにおいては,炎症反応を伴った多発性潰瘍がその主たる病変で,予後に及ぼす影響は大である.以上のごとく疾患ごとに腸病変に特異性がみられ,それを的確にとらえることは治療上も重要である.なお,上記疾患においては,ステロイド剤や抗炎症剤といった胃腸障害を生じやすい薬物を使用することが多いため,腸症状のどこまでが原疾患によるもので,どこからが治療により修飾されたものかを見きわめることも重要である.
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