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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻2号

1983年02月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 神経・筋疾患・2

失語,失読,失書—失語症の病型分類と症状の発現機序

著者: 岩田誠1

所属機関: 1東京大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.331 - P.335

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 ひとの大脳皮質機能のうち最も重要なもののひとつが言語である.言語機能の障害は失語症(aphasia)と呼ばれ,通常左大脳半球病変によって生ずる.表1は失語症患者において大脳半球病変が左右のいずれの側にあるかをZangwillがまとめたものであるが,右手利きではそのほとんど,左手利きでも約7割で,左半球病変により失語症が生じていることがわかる.
 失語症は均一なものではなく,いくつかの異なった病態を含んでいるため,病変部位の差に基づいて失語症の病型分類を行うのが普通である.このような観点からの分類では,失語症をまず,言語野あるいは言語領(language areaまたはspeech area)に病変のあるものと,言語野をとりまく周辺部に病変のあるものとに分ける.臨床的には言語野に病変のある失語症では復唱(repetition)がおかされるが,周辺部の病変による失語症では復唱障害の見られないことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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