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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻3号

1983年03月発行

文献概要

今月の主題 呼吸不全—その実態と治療

呼吸不全—その考え方

著者: 横山哲朗1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科学

ページ範囲:P.354 - P.355

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呼吸不全の概念について
 臨床医学では「--不全」という表現がしばしば用いられるが,これらは慣習的に,便宜的に用いられることが多く,「不全」という表現に一貫した理念がない.とくに日本語の場合insufficiency(Insufficienz)とfailure(Fehler)の両方に対応するものとして「不全」という表現が用いられているのが実状である.Webster's New English Dictionaryによれば,
"insufficiency":①lack of adequate sup Ply of something,②lack of physical power or capacity
"failure":inability to perform a vital function
 さて呼吸不全respiratory insufficiencyとは,生体の末梢組織の代謝需要に見合う呼吸ガス(O2およびCO2)の運搬障害をきたした状態を表現するもので,いわゆる外呼吸(肺におけるガス交換)の障害のみをいうものでなく,強いて言うならば,外呼吸・呼吸ガス運搬・内呼吸の過程の高度の障害を総括的に表現する概念である.原因が肺疾患または肺機能障害に由来するものは,肺不全pulmonary insufficiency(Lungeninsufficienz)と呼ばれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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