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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻3号

1983年03月発行

今月の主題 呼吸不全—その実態と治療

治療

右心不全の対策

著者: 岩崎栄1

所属機関: 1前:国立長崎中央病院

ページ範囲:P.414 - P.415

文献概要

肺疾患由来の右心不全の成立
 慢性肺疾患ことに慢性閉塞性肺疾患は主として肺胞性低換気にもとづく血液ガス異常によって肺高血圧を招来する.すなわち,肺胞性低換気は肺胞気中のO2分圧を低下させ,CO2分圧を上昇させる.かかる呼吸不全状態では,肺胞から肺毛細血管へのO2の移行や血液から肺胞気へのCO2の排出が障害される.このような低酸素血症は主に循環系に影響を及ぼし,肺血管の攣縮,循環血液量の増加,赤血球増多,心拍出量増大をきたし右室仕事量が増大する.かくして右室肥大へと進展し肺性心が形成されるわけであるが,このような状態になれば,気道感染などの因子により容易に右心不全に陥る(図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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